投資家 アンケート
投資家の心理を理解して頂く為に前回3つの質問に答えて頂きました。実は、その内の一つは実際にスウエーデンでのある実験で使われた質問なのです。非常に興味深い結果が出ています。その前に、皆さんに考えていただきます。
前回の質問の結果はどうなると思いますか?
例えば、車の運転技術がどれくらいかという質問などどうでしょう。
- 平均以上の腕前と答えた人
- 平均並みと答えた人
- 平均以下と答えた人
それぞれどれくらいの割合だと思いますか?
投資家の建前と本音
物事には、何事も本音と建前というものがあります。あるべき理想像・姿をもとめる建前があり、それとは別の実際の自分の姿である本音があります。このアンケートもその典型例のようなものです。
まずは、建前から行きましょう。人間は、心の中では誰もが”私は公平で物事が正しくみれる”と思っています。人間の心は、公平であるとすると、こういうアンケートでは、他の人との比較ですのでこんな結果になる事が予測されます。
- 平均以上 ・・全体の3分の1
- 平均 ・・全体の3分の1
- 平均以下 ・・全体の3分の1
人間が自分の事を他との比較が冷静に出来る理想的な生き物であれば、結果はこうなるはずです。・・・ でも、実際の結果はこうなりました。
「平均以上と答えた人 90% その他 10%」
これが、実際の姿、即ち本音です。
この結果、皆さん自身の結果と比べてどうだったでしょうか?
多分、かなりの方が「でも、私はこの分野では平均以上」と心の中で反論するでしょう。90%以上の人は本気で平均以上と思っているのだからそれは当然です。ここから、人間の一つの特徴が見えてきます。
人は誰もがほとんどの分野で、「自分は他人より良い方」と考える傾向があると言えます。モッテルリ−ニ氏は、これをこのように表現しています。
「人間とは本来自信過剰な生き物」
投資家は本来自信過剰な生き物
貴方は自信過剰な生き物です。こう言われて「その通り」と思った方は、かなり冷静で公平に物事を見れる数少ない人でしょう。多分、既に投資家としても成功している部類に入っていると思われます。
私を含めたその他大勢の投資家は、そうはいきませんし、かなり反論したくなるはずです。ところが、これらは他の質問でも同じような結果になります。特に、他人と比較できないものでは更にその傾向がひどくなるでしょう。比較できないのですから、心の中で思っているのを検証も証明も出来ません。
「だから、人間の本当の心そのものがわかります」
逆に、比較数値が公表されていたりすると「平均以上」と答える人の数は大きく減るでしょう。例えば、学力などは、テストの点数がはっきりと出るのでここまで「平均以上」と答える人が多い結果になるのは少ないと思います。
でも、FX投資だとどうでしょうね?
FX投資家の運用力の比較かなり困難ですよね。FXなど投資運用に関しては、アンケートをする時期にもよると思います。例えば、去年から今の時期にかけて大怪我をした人が多い時期では、流石に平均以上と答える人は少なめでしょう。
それでも、50%以上は平均以上と答えるかもしれません。去年の損は「相場環境が悪かった。本当の私の実力はこんなものではない」と思っている人もかなりいるからです。
更に、全体的に相場が落ち着いている時期であれば、おそらく車のアンケート同様に90%くらいの人が「私のFX投資の腕前は平均以上」と答えるでしょう。・・・ これが、FX投資の運用力に大きく影響してきます。
次回、投資家が同じ失敗を繰り返すのはなぜかへ続く
FXとは・・勝者1%の基礎 目次
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